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Pとこの一冊 第8回 覆面作家P「ファミリーポートレイト/桜庭一樹」

 はじめまして。覆面作家と申します。ノベマスなんかを作ったりしています。
 私は以前、北村薫原作の『覆面作家は二人いる』シリーズをノベマスにしておりました。今回も北村薫の作品にしようかとも思いましたが、こちらにします。

No8 覆面作家P用


『ファミリーポートレイト』
 作:桜庭一樹 
 講談社

 私といえば桜庭一樹、とノベマスPの中では有名ですが、今回はこの作品を選びました。桜庭一樹の中で一番好きな本です。近くでサイン会があると聞いて、いやっほうとスキップしながら列に並んだくらい好きです。

 桜庭一樹の作品は、表紙のイラストで追っていました。初期の『赤×ピンク』は高橋しんが表紙のイラストを描いていて、『GOSICK』は武田日向。『推定少女』は高野音彦がイラストです。あ、どれもラノベ版の話ですよ。
 そういえば『愚者のエンドロール』も、角川ミステリー文庫版は高野音彦がイラストを描いていまして、どうにかゲットしたかった私は市内中の本屋を探し回った覚えがあります。
 閑話休題。そんな桜庭一樹が直木賞受賞後、初めて出版した作品です。
 
 本書は二部構成になっています。
 一部は、マコとコマコの話。5歳のコマコはママのマコに連れられて、山のふもとの町、海沿いの町、荒野の中の町。住処を変えながらマコは逃げ続け、コマコは犬みたいにマコに引き連れられ、ついていきます。コマコが14歳になったとき、マコはコマコの目の前から消えて、逃避行は終わります。
 二部はコマコのそれからの話。マコの幻影を背負いつつ、高校に行って、編集者と出会い、小説家になって、家族を持つまでのお話です。
 ふらふらした、つかみどころのない作品です。それでも私がこの本を好きなのは、これが作家と読者を描いた物語だからです。
 コマコが逃避行の中で本と出会い、魔法使いの話にわくわくして、むさぼるように本を読みます。本を読み続けたコマコは内に溜まった物語を、自分の物語を話します。そのとき、コマコは作家になりました。このコマコが自分の物語を爆発させる瞬間が、たまらなく好きなのです。
 
 物語を作ることは、自分の中の思いとか体験したこととか読んだ本とか、そういうのをまぜこぜにして外に吐き出すこと。ノベマスを書いたりして実感したことです。溜め込んで溜め込んで、一気に爆発させることで表現したその瞬間が、とても美しいと私は感じました。

 物語を書くこと、作家であることはもちろん苦しみを伴うものです。それでも物語を書き続けるコマコ。何かを表現することは苦しいことで、それでもやめられない。もしかしたら、ニコマスのPの中にもそんな人がいるんじゃないでしょうか。この作品は母と娘の物語であると同時に、すべての物語への礼賛なんだと思います。

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Author:覆面作家P

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短編リスト : http://www.nicovideo.jp/mylist/17278890

Twitter @niduma_P

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